単車で鬼ごっこ(昔の話)

昔むかしチームで走っていた頃、土曜日の夜は必ず単車で走っていました。
ただ走るには飽き足らず、京都の街で鬼ごっこして遊びました。

ルールはというと
・範囲 東は堀川通り 西は西大路通り 南は五条通り 北は三条通り
・鬼に抜かれたら単車を潔く停めて袋叩きにされる。
という謎なもの。

鬼は一番速くて一番パンチ力が強い者が担当。

みんな鬼の死ぬほど重いパンチを嫌というほど知っているので、必死でアクセルをひねって死に物狂いで逃げます。
身体がそのパンチを嫌悪しているのです。
しかも鬼はめっちゃ速い。物凄いスピードで追いかけてきます。
それは本当に恐怖でしかありませんでした。

1人目の餌食が出ました。
SRのK君です。
彼はキャブをFCRに換装してマフラーはヨシムラサイクロンでヒザを擦って走る男です。
そんな彼でも鬼に見つかった恐怖のあまり、アクセルを一気に開けすぎてしまい黒煙を吐いて思うように加速できずに失速して捕まりました。
レーシングキャブで急アクセルはダメですね。
五条壬生川辺りで袋叩きにあい悲鳴を上げていました。

そして間もなく2人目の餌食が。
ビラーゴのT君です。
リジットサスのビラーゴでは秒殺でしょう。
彼の悲鳴は夜の真っ暗な高辻通りにこだましていました。

鬼は役に徹しているので、手加減はしません。
でも確かに、本気でやらないと面白くない。

ZRXのN君はアキレス腱固めを立ったままされて、巨体を中づりで海老反りにされていました。

ビラーゴのK君はコンビニの前で、寝転ばされた上からかかと落としを何度も受けて動けなくなっていました。

ついに終了時刻がきて、恐怖の時間は終わり。
安堵のため息をつく者、クラッチもろくに握れない者。

でもみんな幸せ。めっちゃ楽しかったから!